MACALLAN

叱られちゃった。

毎週火曜日 雨でも風でも20km先から訪ねてくれるコアな常連客さん。

今日は何を用意してお待ちするか悩みながら

いつものミルクベースのキャラメル(キャローン)を変化細工して

卵黄とバニラベースのキャラメルにひねって待ち構えた。

いつものネームカードに「バニラ」を書き足しただけだった。

「これはこれで美味しいけど、いつものと違うじゃん!!」

こういう ズバズバ指摘してくれるお客さんの存在がうちの宝もの。


月曜と金曜を休肝日と一月前から決めた。

ずっとこの仕事を続けたいんだったら週2でお酒やめなきゃ!

かみさんに痛いところを突かれて好きなお酒を週2で休む。

今日は嬉しい休み明けの火曜日、空になったマッカランから

ご褒美に新しいマッカランに切り替える(いつもはジョニ赤なのに)。

先回はMACALLAN12のダブル・カスク、今日はノーマルのシェリー・オーク・カスク。

12年もの以上は身分不相応だね、これで充分過ぎる贅沢だと感じている。

スコッチは不思議な嗜好品だよ。

10,12,15と年が増すほど美味しいとばかりは言えない。

10年物をとても美味しいと感じることもある。

MACALLAN12とうたいながら何種類ものボトルを提供している。

国産のサントリーやニッカは商品名を変え色々な志向のウィスキーを出す。

今や国産ウィスキーは本場スコッチと比べても遜色はないと思う。

しかし伝統に培われたスコッチメーカーが新たなチャレンジをすることの是非はどうだ

賛否両論あるだろうが 何も判っちゃいねえド素人ファンとしては歓迎したい。

作り手はいつも探求していたいのだ もっと美味しくならないか。

売れるからと言っていつも同じ作風を繰り返す画家に魅力は感じない。


ビールなどと違い日本酒もワインもウィスキーも年に一度の大博打。

その年に収穫された米やブドウ、麦を心を込めて仕込んでいく。

原料の作柄や気候、管理で出来上がりは微妙に変化する。

近年 暖かい冬が続いて日本酒の仕込みの時期がずれている。

この街の銘酒「國香」も例外ではない。

今年の酒はうまいねえ、最高!!という年もあればそうでない年もある。

杜氏のこうちゃんはかなり気難しく人間臭い職人だ。

彼と話をすると、酒は生き物だと実感する。


いつどこで買っても同じ均質の味を維持するのが宿命である安価な大量生産品は

例えば、同じ農園で採れた苺でも12月と5月では同じではあり得ないし

同じ日に採れても南と北、日当たりの良し悪し違う場所で出来が違うにきまってる。

集められた苺をアイスに加工したとしたらどうだろう。

それでも出荷される品質に差があっては許されないのが食品工業品。

均質を維持するためには香料、色素などは欠かせないが消費者はそれで良しとする。


工業製品となれば 食品にしても器械にしても役割は決まってくる。

あれもこれも消費者の希望に沿っていたら、とんでもなく高価な品になってしまう。

よって世の中は二極化し、人が何を求めているのか時代によっても変化するのだろう。


マンネリ化しないでいつももっと良いものを提供したいと思う職人は

もっと利益を捻出したいと考える経営者と葛藤しながら仕事をしている。

労働者と職人、経営者とは微妙に思考がずれており世の中がバランスを保ちながら回っていく。

職人と経営者が同じうちのような零細店ではいつも綱渡り。

お客さんの笑顔とスタッフのやりがいだけが原動力になる。






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