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雨の日だからこそのお客様


 コロナから解放された2023年GWが やっと幕を閉じた。有名観光地に庶民の多くが流れたのだろう。空港のニュースからは久しぶりの海外を楽しんだ上ランクの人たちも多かったようだ。

 うちも、身動きができない程ではなかったけれど 忙しい連休を経験させてもらった。

最終日は予報通り一日しとしと雨空になってしまい、骨休めになった。


 雨の日の営業はいつも思うことだけれど、こんな荒天にも関わらずわざわざ訪ねてくださるお客の存在がこの上なく有難い。だからこそ、こんな日は手を抜かない。がっかりさせて帰してしまったらもう二度と来てくれないと思う。

 とはいえ、殺気立つ混雑時と違って、多少の余裕があるので新人さんの訓練にはちょうど良いのです。雨の日のお客さんは大切にしなくてはいけないと言い聞かせ、いつも以上に真剣に取り組ませる。

今シーズンも3年間のコロナ騒動の末、懐かしい常連さんも立ち寄って挨拶してくださった。これこそ客商売の醍醐味なのだろう。


 有精卵、バニラビーンズが久しぶりに揃って、バニラジェラート、たまごふわふわを出すことが出来た。ミルクも美味しいけれど、バニラは本当に美味しい。ほんのり焦げる寸前の卵ベースにバニラビーンズの香りを移す。日本人の多くは、バニラとミルクの区別がつかない人がほとんど。白っぽければ何でもバニラ、笑えるけど我々戦後の貧しい世代のほとんどがそう思い込まされて育った。中にはビーンズをゴミが入っていると怒って息巻くお年寄りもいらっしゃるが、納得してもらうのに辟易とする。食文化はずいぶんと豊か贅沢になった。

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